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グリーでのエンジニア経験を経て、サイカやカケハシのCTOとして組織を牽引してきた海老原智さん。現在はIVRyのソフトウェアエンジニアを務めながら、Findy Freelance経由で技術顧問としても手腕を発揮しています。
支援先のA1Aでは、OKRの導入・運用支援を通して、同社の組織変革に貢献。今回は海老原さんとA1A CTOの佐々木さんを招いて、Findy Freelanceを活用するきっかけやお二人の関係性、高い成果を出し続ける背景に迫ります。
■プロフィール 海老原 智(@g1m1et0212)
慶應義塾大学大学院卒。凸版印刷株式会社でバーチャルリアリティ用3DCGビューア/SDKの開発、3DCGコンテンツ制作会社でテクニカルディレクションに従事。インターネットサービスに転進し、グリー株式会社にてSNS/プラットフォーム系開発を担当。株式会社サイカ、株式会社カケハシに創業時から取締役CTOとして参画し、プロダクト開発と組織マネジメントに従事。現在は株式会社IVRyで正社員として勤務しつつ、スタートアップ企業の技術組織開発をサポート。
■プロフィール 佐々木 延也(@_mnc90)
新卒で株式会社カカクコムに入社し、「食べログ」のシステム開発に従事。 その後、株式会社SpeeeにてSREチームに所属し、事業部横断の共通サービス基盤の構築・運用を担当。 A1Aに創業メンバーとして参画し、CTOとしてプロダクト組織全体を管掌している。
過去の経験を活かし、正社員兼フリーランスとしてCTOをサポート
──海老原さんのご経歴について教えてください。
海老原: 最初は3DCGやVRといった、エンターテインメント寄りの開発に携わっていました。30歳を過ぎたあたりでグリーに転職し、バックエンドやAndroidアプリのリーダーなど、さまざまな経験を積みました。
グリーで知見を得た後に自分の力で組織を立ち上げようかと考えていたタイミングで起業したばかりのサイカのCEOと出会い、同社のCTOに就任しました。これが、スタートアップ経営に携わるようになったきっかけです。
その後はカケハシにて8年ほどCTOを務め、退任後はフリーランスとしてCTOをサポートする活動を始めました。そのタイミングでFindy FreelanceにA1Aと繋いでいただき現在に至ります。
2024年末あたりからはIVRyの正社員としてエンジニアリングマネージャーやソフトウェアエンジニアを務めながら、フリーランスとしてCTOをサポートする活動も続けています。IVRy入社に入社するタイミングからはA1A、1社のみを支援している状況です。
──A1Aでの稼働スタイルについても教えていただけますか。
海老原: 裏で考えたりする時間もありますが、実働時間は週2時間ほどです。基本的に週1時間佐々木さんとMTGをして、必要に応じてその他のメンバーと1on1をしています。
佐々木さんが事前に準備もしてくださっているので、1時間でも有効活用できていると感じます。
原理原則に基づいた提案スタイルで、OKRを活用した組織変革に貢献
──海老原さんに技術顧問を依頼する前、会社としてはどのような課題感があったのでしょうか?
佐々木: 当時はピボットなどを経てプロダクトをリリースし、組織課題も少しずつ改善されはじめているタイミングでした。とはいえ、会社としての目標が明確に定まっておらず、各部署が別の方向を向いていて、健全だと言える状態ではありませんでしたね。
──そんな時にジョインし、海老原さんは具体的にどのようなことをされたのですか?
海老原: しばらくは佐々木さんと組織設計や採用などの色々なトピックについて単発でディスカッションしている時期があったのですが、徐々に一旦組織全体で同じ方向を見るためにどうするかという論点に集約されていきました。その中で、OKRを提案したんですよね。
佐々木: そうですね。実は以前にもOKRを取り入れたことがあったのですが、その時は上手く運用できませんでした。しかし、海老原さんにサポートいただけるようになってからは、うまく運用できているという実感があります。
──現場からの反発はなかったですか?
佐々木: 最初はみんな「OKRを全部解決できる万能ツール」と思っていましたが、海老原さんの思想を深く理解してそのまま伝えていくと、「こういうケースはどうするの? 難しいじゃん」という反発がしっかり出ました。それは逆に良かったと思っていて「今回のOKRではこれを解決するために導入するんだ」という共通認識をすぐに持つことができました。
また、OKRだけでなく、売上目標やチャーンレートも当然みているので、メンバーの負荷がめちゃくちゃ高く、そこに対しての反発はやはりありました。
しかし、その当時「OKRのせいにはせず、他で解決策があるからそこも含めて私が責任を持つからやろう」と言ったらついてきてくれました。反対意見が出た時にメンバーと向き合って、とことん議論したことで、同じ方向を向いて進められるようになったと感じています。
──今回上手く進められたのはどのような要因があるのでしょうか?
佐々木: 海老原さんからOKRの定義、解決できることとそうでないものの取捨選択について、改めて教えていただけたのが良かったです。
以前なら「Aの課題はどうするの?」という反対意見が出てきた時に対応できなかったのですが「今回はBの課題を解決する」と言い切れるようになりました。メンバーの期待値をコントロールできるようになり、共通認識が形成しやすくなったのだと思います。
OKRは抽象的であるため、コミットする人がいなければ、意義を見失いがちです。私は海老原さんに教えていただいて、OKRで起こる変化について深くイメージできていたため、強い意志で運用を続けられました。
──海老原さんのサポートにより、OKRを上手く運用できるようになったのですね。
佐々木: ええ。定量的な成果として反映されるのはもう少し先だと思いますが「以前よりも改善されている」と実感できています。海老原さんのサポートのもとでOKRを導入したことで全員が同じ方向を向けるようになりました。
これまでは、プロダクトの「どんな課題をどう解決し、どう使われる想定なのか」という意図が営業やCSに十分に共有されず、各チームがそれぞれの理解で顧客に伝えてしまっていました。 その結果、フロントから上がる顧客の声とプロダクトが解決したい課題が噛み合わず、フィードバックも本質からズレがちで、改善が進まない悪循環に陥っていました。
こうした状況が、OKRによってアラインが整ったことで大きく変わりました。フィードバックの質が一気に向上し、今は多くのフィードバックが腹落ちする内容で、迷いなく開発を進められています。
また、自分のポジションに拘らず、越境して仕事を進めるメンバーがどんどん増えています。以前ならエンジニアは「仕様通りに実装する」とか「良い仕様を考える」だったのが、サービス設計のような、もっと上流のボールからオーナーシップを持って進めてくれるようになりました。技術力からは少し離れるかもしれないですが、ビジネスパーソンとしてのレベルは上がっていると思っていて、評価や給料にも反映しています。
高い成果の背景にあるのは、理想的なマッチング
──A1A社にジョインされてから、大きな成果を上げられていますね。それが実現できている理由はなんだと思いますか?
海老原: カケハシでは、0→10、10→100のフェーズを経て、最終的には全社で350名ほどの規模に成長する過程に関与することができましたが、佐々木さんとの議論はそこで自分自身が悩んだことと重なる論点が多かったです。アーリーステージからレイターステージに至るまで、CTOとして組織開発に携わった経験は、今に活きていますね。
A1A社は組織規模として約30名から50名ほどにまで増やすことを目指している段階です。このくらいの規模になってくると、徐々に「阿吽の呼吸」が通用しなくなります。ここからどのようにして組織を拡大していけばいいのか、私自身も前職で似たような悩みを抱えていた時期があり、佐々木さんの気持ちが理解できるんです。
──佐々木さんはいかがでしょうか?
佐々木: 私は海老原さんの人間性に魅力を感じています。集団で何かを成し遂げる時には、人間の性質を理解する必要があると思います。それを理解せずに、小手先のテクニックやツールだけで乗り越えようとしても上手くはいかない。特に、技術顧問といった立場で誰かを支援するなら、より深いレベルで理解しておくことが求められます。海老原さんは経験も豊富ですし、人間の性質を深く理解されています。
海老原: 私のスタンスは「押し付けはせず両論併記するけど、明確にポジションを持って自身の思想は伝える」です。あとは「あえて捨てる部分」も意識しています。フェーズによっては、取り上げなくていい課題もありますから。原則原理に基づきつつ、現実的な観点からその場に適した選択肢と未来を提示するようにしています。
佐々木さんも原則原理を重要視されているため、組織や人間がどういう力学で動くのか、みたいな根本的なところをベースに考えるタイプの私と相性が良かったのかもしれませんね。
佐々木: そうですね。同じ部分を重要視していることもあり、相性が良かったのだと思います。今後も海老原さんに支援していただきたいと思っています。
──海老原さんのご経験を活かせるフェーズ、かつ、お二人の相性も抜群だったのですね
佐々木: 海老原さんを含めて、Findy Freelanceでご紹介いただく方はマッチ度が高いんですよね。担当の方がA1Aのことを深く理解した上で紹介してくださるため、マッチングの精度が高く、それが結果に結びついているのだと思います。
支援を通して自身の知見を深めるきっかけに
── A1A社での経験を通して、海老原さんが得たものはありますか?
海老原: 佐々木さんとの対話、議論を通じて、頭の中でイメージしていたことが言語化されていくため、私自身の知見が深まり進化しています。私が一方的に支援しているのではなく、自分のエンジニアリングマネジメントとしての知見を再考し、言語化する機会をいただいている感覚です。
佐々木さんのような事業のトップランナーの話を聞いていると勉強になりますし、本業の事業に対するインサイトや思考を深められていますね。
── 最後に、海老原さん個人の今後の展望についてもお話いただけますか。
海老原: 今、我々はAI技術を前提とした様々な産業革命レベルの変化に直面していて、技術経営や組織開発に対する考え方もそれを受けた更新が必要になっています。まだ誰も答えを持っていないそうした領域に対して自分なりの思想を確立するために、A1Aのような形で支援できる場所を、2~3社ほど増やしてもいいかもしれないと思っています。
この活動を始めたきっかけは、私自身がCTOをする中で辛いと感じることが多かったからです。CTOはCXOの中でも「その領域に関する知見は自分しか持っていない」という状況に陥りがちで、孤独を抱える人が少なくありません。支援を通して、そうした方の悩みの解決に貢献しながら、私自身の知見も深めていきたいです。
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【編集部より】
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