月400PRだけでは評価されない。市場価値を高めたテックリードの思考法
月400PRだけでは評価されない。市場価値を高めたテックリードの思考法

最終更新日: 2026-08-10

月400PRだけでは評価されない。市場価値を高めたテックリードの思考法

「フリーランスとしてもっと単価を上げたいが、壁を感じている」「圧倒的な価値を出して提示金額を伸ばすにはどうすればいいか」——。 そんな悩みを抱えるフリーランスエンジニアや、今後のキャリアを模索するテックリードに向けて、今回はFindy Freelanceを活用して参画当初から1年未満で単価をアップさせた永渕さんにインタビュー。 月間400件のPR(プルリクエスト)作成や月150件のコードレビューを実現する「超・生産性追求術」と、事業のコア課題を解決して結果的に適正な単価アップへと繋げる思考法について詳しく伺いました。

目次

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プロフィール

  • 永渕紫峰さん

    合同会社 tinyum

    大学在学中からスタートアップでエンジニアとしてのキャリアをスタート。日本円ステーブルコインを発行する企業での勤務を経て、スピンアウトしたブロックチェーン領域の企業にて最年少でCTOに就任。その後、Web3領域での起業を経てフリーランスへ独立。現在は大規模なWebサービスを提供する企業にて開発基盤のテックリードを務める傍ら、自身の法人(合同会社)設立を進めている。 会社HP:https://tinyum.com

最年少CTO・起業を経て、フリーランスとしてのキャリアを選ぶまで

—まずは、これまでのご経歴やフリーランス転向の背景について教えてください。

大学3年時(2021年頃)に成長領域だったブロックチェーン系のスタートアップでエンジニアとして働き始めたのがキャリアのスタートです。その後、自社開発組織のスピンアウトに伴い、別会社で最年少CTOとして2年間事業全般を統括しました。

さらに友人と共にWeb3系のスタートアップを立ち上げるなど、創業・経営フェーズを経験してきました。
その上でフリーランスという働き方を選んだ一番の理由は、「肩書きや組織の制約に縛られず、純粋に技術一本で価値を提供したかったから」です。

正社員や役職者(CTO/マネージャー)になると、ミーティングの多さやメンバーのマネジメント、勤務時間の固定といった制約が生じがちです。「1人で10人分の価値を出す」というスペシャリストとしての価値を極限まで高めたいと考え、成果がダイレクトに評価や単価に反映されるフリーランスを選択しました。

現在はユーザー数の多い大規模Webサービスを提供する企業に参画し、開発基盤のテックリードとして、それまでに培った知見が大規模プロダクトでも通用するかを検証しながら業務に取り組んでいます。

高い評価を獲得する「圧倒的アウトプット」と「課題解決」

—参画先企業ではかなり評価が高く、1年未満で単価が上がったとお聞きしました。要因は何だとお考えですか?

特別な交渉テクニックや小手先の工夫を行ったわけではありません。
理由を一言で言えば、「誰が見ても人より多くのアウトプットを出すこと」と「事業が抱えている一番の課題を解決すること」という、エンジニアとして本質的な2つを愚直に徹底したからです。

本質的な価値提供に集中した上で、自分が日々やっている成果を目にみえる形で社内へ共有していった結果、自然と評価や提示金額がついてきました。

【永渕氏のアウトプット指標】

  • 月間PR数:400件+(※)
  • 月間コードレビュー数:150件+
  • 1日の最大PR作成数:最高50件
    (※AIによる自動化施策や小規模な改善PRを含む)

—月400PR、150レビューという数字は驚異的です。どのように実現しているのですか?

前提として、単にAIで機械的に量産しているわけではありません。元々コードの美しさや設計の綺麗さにはこだわりがあり、周囲から褒めていただくことも多いです。
実際、作成したPRのほとんどは1日以内にマージされており、これまで一度も大きなインシデントを起こしたことがありません。

高速度と高品質を両立させているポイントは、以下の3点です。

  • AIとCIによる「多重の品質保証」と定型業務の自動化
    • 仕様を踏まえた設計さえ完了すれば、定型コードの記述やPRのディスクリプション作成、テストコードの起草などはAIを活用して迅速化できます。
    • さらに、AIチェックと厳密なCIを組み合わせた多重の品質保証プロセスを組むことで、人間が見落としがちなエラーや品質低下を未然に防いでいます。
    • 数分の作業でも自動化を徹底しつつ、質の高さをシステム的に担保しています。
  • 5分で読める「極小PR」による開発サイクルの高速化
    • PRを極力小さく分割し、レビュアーが5分程度で把握できるサイズにしています。
    • コンテキストを最小化することでレビューの負荷や見落とし、手戻りが大幅に減り、結果として長期的な生産性とコード品質が飛躍的に向上します。
  • レビュー速度の徹底
    • 月150件以上のコードレビューを行うことで、チーム全体のボトルネックを解消し、自分のPRもスムーズに回る相互循環を作り出しています。

事業のコア課題を「仕組み」から根本解決する思考法

—単価アップに繋がったもうひとつの要因である「事業のコア課題を解決する」について、具体的にどのようなアプローチを行っているのでしょうか?

アプローチの本質は、「プロダクトの仕組みを1から理解し、既存の制約にとらわれずゼロベースで解決策を構築すること」です。

実際に現在の参画先では、ユーザー数の急増に伴い「特定機能(ガチャ機能など)のサーバー負荷が高まりエラーが発生する」という組織的な大課題がありました。従来のロジックが複雑化・負債化しており、誰も手を付けづらく、小手先の改善では1.5〜2倍程度の性能向上しか見込めない状態でした。
そこで私は、以下のステップで解決にあたりました。

1. ドメインと仕様の完全理解
システム全体のアーキテクチャやロジックを自作できるレベルまで把握し、「なぜこの仕様になっているのか」というビジネス側の背景まで深く掘り下げます。

2. ビジネス側との「制約」の再交渉
エンジニアがやりがちなミスは、手渡された仕様を絶対的な制約として受け入れてしまうことです。ビジネス側と意見を出し合い、「この制約を外せれば、技術的なコストパフォーマンスが跳ね上がり、負荷を大幅に改善できる」といった提案を行い、二人三脚で最適な仕様を作り直します。

3. 大量のアイデア出しと計測基盤による検証
アプローチ方法を整理してゼロベースでアイデアを大量に出し、計測ツールを導入して数値目標(レスポンス速度や耐障害性など)を設定した上で、インパクトの大きい施策から検証・実行します。
結果として、10〜30倍規模の耐障害性とパフォーマンス向上を実現しました。

—特別な交渉術に頼るのではなく、本質的な成果と信頼の積み重ねが単価向上へと繋がったのですね。

そうですね。「この領域はこの人がいないと不安だ」「この人に任せれば確実に事業が前に進む」というポジションを社内で確立できれば、自然と辞められたくない存在になります。
裏側のインフラや目立たない作業であっても、詳しくない人にも伝わる形でアウトプットを可視化し、社内に報告・共有していくことが大切だと感じます。

自身の会社設立と、これからのキャリア像

—今後、どのようなキャリアや挑戦をお考えですか?

直近数年は現在の参画先で技術課題解決や開発基盤の強化に力を注ぎつつ、近々設立予定の合同会社を軸に、技術顧問や受託事業の幅を広げていこうと考えています。

案件探しについては、現在はFindy Freelanceさん一本に絞ってお世話になっています。他社と比較しても案件の提案数が圧倒的に多く、いつも魅力的な選択肢をいただけるので、今後もぜひ使い続けたいと思っています。また、将来会社を立ち上げるにあたって、技術顧問などの形でもご一緒できたら嬉しいですね。

将来的に10年、20年先には社会的意義の大きい事業にも挑戦したいですが、まずは自身の技術力と生産性を極限まで高め、組織の事業課題を解決する実績を積み重ねていきたいです。

【編集部コメント】
単なるコード実装にとどまらず、AIによる徹底した自動化、そしてビジネス側の制約まで踏み込んで根本課題を解決する姿勢。それこそが高い評価を獲得する本質的な要因だと感じさせられるインタビューでした。

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